今年の12月1日より実施されるストレスチェックとそれに伴う医師の面談の義務化の制度についてご説明します。
(当面は、従業員50人以上の会社が対象となり、50人未満の会社については実施の努力義務になります)
①ストレスチェック制度の目的
毎日遅くまで残業が続き、休日出勤することも多い。不慣れな部署に異動になった。課長に昇進し管理する
部下の人数が急激に増えた。気の合わない上司のもとで働かなければならない。営業ノルマが厳しすぎる。
職場の人間関係に馴染めない…等々
職場では様々なストレスがかかってきますが、責任の重さや業務の繁忙の程度が偏ったり、ストレス耐性が
個人により異なることなどがある為、会社は従業員が抱えているストレスの程度を定期的に検査し、必要に
応じて医師等の面談を受けさせることで、メンタルヘルス疾患を防ぐことを目的とした制度です。
この背景には、昨今、職場環境の悪化に伴いうつ病等のメンタルヘルスの不調や、最悪のケースでは自殺
に至るケースがあることが挙げられます。
②制度の概要
事業主は、1年に1回、従業員に対して医師(又は保健師)によるストレスチェックを実施させ、高ストレスと
判断された従業員から申出があった場合には、医師による面接指導を受けさせる必要があります。また、
実施状況の報告を1年に1回労働基準監督署へ提出する義務があります。
なお、ストレスチェックの内容は、国が標準的な調査票として「職業性ストレス簡易調査票」という調査票を
推奨しており、それを用いることを想定しています。
(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/kouhousanpo/summary/pdf/stress_sheet.pdf)
③就業環境の改善についての取り組み
ストレスを抱えた従業員が多い職場というのは様々なリスクを抱えることになります。
単純にメンタルヘルス疾患等により休職を余儀なくされる従業員が出て業務に支障が及ぶだけでなく、
精神的な不調の為に仕事への集中力や決断力が低下し、本来の能力を発揮できないまま仕事を行う
ことによる損失は、前者よりもはるかに大きいと言われています。
過度な長時間労働や、職場のコミュニケーション不足、業務負担の偏重や明らかに適性の合わない職務へ
の配属など、ストレスの多い職場になっていないかを再点検して、より従業員の能力を発揮できる就業環境
にする為の改善の機会にすることを検討されてはいかがでしょうか。