厚生労働省は20歳になった人が国民年金に加入する際の手続きを原則としてなくす方針です。
現在は20歳になると市区町村の役所で加入手続きをするのが原則ですが、日本年金機構が本人に代わって 手続きを済ませる仕組みへ変更する検討を始めました。若者の加入漏れを効率的に防ぎ、国民皆年金を前提 とする公的年金制度の信頼低下を食い止める狙いがあります。
国民年金法では国民年金に加入する際に市町村長に届け出なければならないと規定されていますが、現状は 役所に届け出ず年金機構が加入手続きを進める「職権適用」で加入する人が半数にも及びます。 この実態を踏まえ、住民基本台帳ネットワークで20歳になる人を抽出し、職権適用の仕組みを原則とするよ う省令が改正されます。これにより、20歳になる人に加入を呼びかける書類の送付が不要になる等、業務の 効率化が図られます。
この部分に着手するのは年金機構側から見れば業務削減になり利点はあるでしょう。 しかし、20歳の若者が進んで保険料を納付することには結びついていないように思います。加入手続きが自 動的に行われることによって、利便性が向上する半面「国民年金に加入している」「保険料を納めなければ いけない」という意識が薄れるのではないかと案じてしまいます。 現在役所等に出向いて行う「学生納付特例」の申請をインターネットで手続き出来るようにする等、20歳の若 者の目線で手続きしやすい制度を考えて欲しいものです。 20歳から年金受給まで長い期間かかわる年金です。国民年金に加入することのメリット等、納得性を高める 為のPRが必要と思われます。