新聞で「出戻り社員歓迎」と記事にもなっていましたが、人手不足の昨今、出産や育児で離れた社員を即戦力として受け入れる企業が増えています。 一度退職した社員とはいえ、仕事内容や社内事情をも把握している出戻り社員は、貴重な人材です。本人の都合で退職しているので、なんとなく「裏切り者」という気持ちになることもあるかもしれませんが、積極的に受け入れることは、人手不足で疲弊しがちな在職中の社員のためにもメリットの方が大きいのではないでしょうか。
そのような企業の動向によるものか、7月になり厚生労働省から、両立支援助成金~再雇用者評価処遇コース~を、「カムバック支援助成金」と通称名を付して再案内するリーフレットが公表されています。
この助成金は、再雇用制度の導入から始めます。
①再雇用制度を就業規則に規定する
*対象者:妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤等(配偶者の転居を伴う転職を含む。)を理由として退職した者
*退職前の勤務実績等を適切に評価し、処遇の決定に反映させることを明記する
②再雇用登録希望者には、退職時または退職後に「退職理由と再雇用希望」を記入した社内様式を提出してもらう
③新規採用案件が出たら、再雇用希望者のうち採用案件に合致する者に再雇用を提案する
④再雇用の条件に、会社と再雇用希望者が合意したら復職決定となる
実際に助成金の対象となるか否かは、以下のような要件に該当するかどうかによります。
①退職日の前日において、雇用保険被保険者として継続して1年以上雇用していること
②退職後1年以上経過していること
③再雇用し、無期雇用者として6ヵ月以上継続雇用していること または、当初、有期契約労働者として再雇用した場合は、無期雇用契約を締結後、6ヵ月継続雇用していること
この助成金の対象者は、出産や介護など本人が退職を望んでいないにも拘わらず、多くの場合、仕事と家庭の両立を断念し退職せざるを得なかった方です。 月日が経過し、両立を考えられるようになった時に、迎えてくれる会社があることは心強いと思います。
そして、会社にとっても、ビジネスの現場から一時的に離れたことのデメリットはあるもの離職期間に経験した育児や介護は人としてその方を成長させていることと思います。その面をメリットとして捉え、積極的に再雇用してはいかがでしょうか。
要件に合致する方がおりましたら、以下の助成金が支給されます。
支給額:再雇用人数 1人目の場合 ・・・中小企業は38万円 2~5人目の場合・・・中小企業は28.5万円 ※1事業主あたり5人まで支給されます。詳細は、添付のリーフレット等をご覧ください。 |
厚生労働省では、「ご活用ください!」として、次のリーフレットを紹介しています。
<カムバック支援助成金のご案内>
https://www.mhlw.go.jp/content/000529414.pdf
なお、両立支援助成金の全体を案内するリーフレットなどについても、2019年7月作成のものが公表されていますので、ご紹介しておきます。
<両立支援等助成金のご案内(リーフレット)>
https://www.mhlw.go.jp/content/000526013.pdf
<両立支援等助成金支給申請の手引き(パンフレット)>
https://www.mhlw.go.jp/content/000532830.pdf
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