今回は、通勤の途中に怪我をした場合に補償される通勤災害についてとりあげます。
仕事中に怪我などをした場合に労災保険が適用されるというのはご存知の方も多いと思いますが、通勤の途中で怪我をした場合にも、通勤途中の災害として労災保険を使うことができます。
労災が適用されると、病院で治療を受ける際に自己負担が無くなるだけでなく(健康保険では通常3割負担)、会社を4日以上休んだ場合の給与の休業補償を受けられるなど、手厚い給付を受けることができます。
ただ、通勤の途中で怪我をした場合でも、労災が適用されなくなる場合もありますので、それを様々なケースでご紹介します。
①仕事の帰りに最寄りの駅にある店で服を買いに立ち寄り、その後、家に帰宅する途中で怪我をした
→ 労災にはなりません
※原則として、帰宅途中に買い物をしたり、店に入り飲食をしたりした場合、それ以降に怪我をしても労災は適用されません。ただし、日常生活上必要な行為であって必要最小限度に行う行為に関しては、立ち寄り後、通常の通勤経路に戻った後に怪我をした場合には、労災が適用されます。
(例)日用品の購入、病院で診療を受ける、子の保育所への送り迎え、クリーニング店に立ち寄る 等
②通常はバスを使って通勤するが(会社への届出もそれで申請している)、自転車で通勤していて怪我をした
→ 原則として労災になります
※合理的な経路及び方法による通勤経路であれば、通常の通勤手段と異なっていたとしても、労災と認められます。
③アパートの自室を出て共用の外階段を降りている途中、階段を踏み外して怪我をした
→ 労災になります
※一戸建ての家で、玄関を出て敷地内にある門扉までの途中で怪我をした場合には、労災にはなりません。
④単身赴任者が休日を家族が住む実家で過ごし、出勤日の朝に実家から勤務先に向かう途中で怪我をした
→ 労災になります
※また、実家から単身赴任中の住居への移動中の怪我に関しても、一定の場合には労災になります
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