今回は出産前後のお金に関する話をします。
出産前後は働き方を変えなければいけないので、一般的には収入が減ります。それを補う制度をご案内します。
~産休期間中のお金のはなし~
出産を間近に控え、産休期間に入ると多くの会社では無給となります(産休期間中の給与の取扱いについては就業規則をご確認ください)。
今まで給与収入があったのに無くなり、更に出産費用のことを考えると経済的に不安になる方もいるかもしれませんが、この期間中、給与の代わりに健康保険から「出産手当金」が支給されます。
産休前の1年間の給与平均の約67%が支給されます。ただし、期間を経過してからの申請になりますので、産休期間に入ってすぐに支給されるわけではありません。ご注意ください。
また、分娩にかかった費用についても健康保険から「出産育児一時金」として42万円(※)が支給されます。支給方法は2つあります。
分娩にかかった費用を全額支払った後で申請をする事後申請タイプと、もう一つは分娩費用のうち42万円を超えた部分のみ病院に支払う充当タイプの「直接支払制度」です。
直接支払制度を利用した場合で、分娩にかかった費用が42万円を下回る場合はその差額を事後申請により受け取ることができます。
よって、どの制度を利用しても42万円は支給されるということです。
(※)産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は40.4万円となります。
参考リンク「出産で会社を休んだとき」(協会けんぽ)
「子どもが生まれたとき」(協会けんぽ)
~育休期間中のお金のはなし~
出産後8週間経過後すると、育休期間に入ります。
この期間は雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。支給額は2段階になっており、育休開始から180日目までは産休前の1年間の給与平均の約67%が支給されます。それ以降は約50%になります。
支給期間はお子さんが1歳になるまでですが、1歳までに保育園等の預け先が見つからない場合は、1歳6か月まで延長ができます。更に1歳6か月時点でも預け先が見つからない場合は、最長2歳まで延長ができます。
基本的には2か月に一度申請をして、2か月分の給付金が支給されます。
参考リンク「雇用継続給付」(ハローワークインターネットサービス)
~産休・育休期間中のお金のはなし(会社編)~
産休・育休期間を通して、健康保険料(40歳以上の方の介護保険料含む)・厚生年金保険料が免除になります。これは個人負担分だけでなく、会社負担分も免除となりますので、忘れずに申請してください。
参考リンク「保険料の免除等(育児休業関係等)」(日本年金機構)
~育休に関するお金のはなし(会社編②)~
はじめての育休取得者の方がこれから育休をとるのであれば、両立支援等助成金(育児休業等支援コース)にあてはまるかもしれません。該当すれば、会社に28.5万円が支給されます。
参考リンク「仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主等のみなさまへ」(厚生労働省)
最後に、育児休業をとる方はその前提として復職を望んでいる方ですので、休業期間中も定期的に連絡をとりあい、お互いの状況を伝えあうことが必要だと思います。それが復職後の関係にも繋がるはずです。
また、妊娠出産はおめでたいことですが、周りで働いている社員には負担がかかることが多いと思われます。社内の人が心から祝福し、お互いに助け合っていく環境づくりが重要です。社員のみなさんの人間力が問われているのかもしれません。
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